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MOMOTAROU

むかし むかし、あるところに おじいさんと おばあさんが すんでいました。あるひのこと,おばあさんが、かわで せんたくを していると、

 どんぶらこっこ、どんぶらこ
 どんぶらこっこ、どんぶらこ

おおきな ももが ながれてきました。
まあ、なんて おおきな ももでしょう
よろこんだ おばあさんは、ももを ひろって うちへ かえりました。

「どれ、さっそく ごちそうに なるか。」

 おじいさんは、ほうちょうで ももを きろうとしました。
 
 そのとたん、

 「おぎゃあ、おぎゃあ

 いせいの よい うぶごえを あげて、ももの なかから、たまの ような おとこのこが うまれたのです。

「おや、まあ
「これは、これは……。」
 あまりの ことに、おじいさんも おばあさんも めを ぱちくり。 しばらくは、くちも きけません。
その あいだにも あかんぼうは、
 「おぎゃあ、おぎゃあ
げんきよく なきつづけています。
 「これは たいへん
おばあさんは、あわてて うぶぎを きせました。

こどもの いなかった おじいさんと おばあさんは、おおよろこびです。 さっそく 〈ももたろう〉と なづけました。
ももたろうは すくすくと そだち、やがて、十五さいに なりました。ももから うまれた ももたろうは、きは やさしくて、ちからもち。

そのころ、おにがしまの おにたちが、むらじゅうを あらしまわっていました。むらびとに らんぼうしたり、さくもつをぬすんだり、かちくを さらっていったり、わるいことばかり するのです。
 「こまったなあ……。」
 「なんとか ならないものか……。」
むらの ひとたちは、よわりはてました。
でも、よいちえは うかびません。

そんな あるひ、ももたろうが いいました。
 「おにがしまへ いって、おにどもを たいじしてきます。」
 「とんでもない
おじいさんは、びっくりして いいました。
 「いくら ちからもちだと いっても、おまえは まだ こどもだ。」
「だいじょうぶかならず、おにたいじを してきます。」
いよいよ、しゅっぱつです。
おばあさんは、ももたろうの だいすきな きびだんごを、たくさん つくりました。
 「おじいさん おばあさん、いってきます。」
ももたろうは、げんきよく うちを でました。
 「きをつけて いっておいで。」
おじいさんと おばあさんは、いつまでも てを ふって、みおくりました。

やまを こえ、たにを こえ、ももたろうは あるきつづけました。のはらを あるいていると、一ぴきの いぬが でてきて、たずねました。
 「ももたろうさん、どこへ ゆくのですか
 「おにがしまへ おにたいじ。」
 「おこしに つけているのは、なんですか
 「これは、にっぽん一の きびだんご。」
 「それを 一つ、くださいな。おれいに おともを いたします。」
 「よしよし、ついておいで。」

おかを こえ、やまみちに さしかかると、きの うえから 一ぴきの さるが おりてきて、たずねました。
 「ももたろうさん、どこへ ゆくのですか
 「おにがしまへ おにたいじ。」
 「おこしに つけているのは、なんですか
 「これは、にっぽん一の きびだんご。」
 「それを 一つ、くださいな.おれいに おともを いたします。」
 「よしよし、ついておいで。」

やまみちを すぎ、やぶに さしかかると、一わの きじが とんできて、たずねました。
 「ももたろうさん、どこへ ゆくのですか
 「おにがしまへ おにたいじ。」
 「おこしに つけているのは、なんですか
 「これは、にっぽん一の きびだんご。」
 「それを 一つ、くださいな。おれいに おともを いたします。」
 「よしよし、ついておいで。」

やがて みんなは、はまべに つきました。
 「おにがしまは どこだろう
ももたろうは てを かざして、うみのかなたを みわたしました。
 「わたしが、さがして まいりましょう。」
きじは、そういうと、そらを とんでゆきました。あとに のこった ももたろうたちは、ふねに のりこみました。

ふねは、すいすいと うみの うえを はしります。やがて、きじが かえってきました。
 「おにがしまが みつかりましたよ
わたしの あとから、ついてきてください。」
ついに、おにがしまに つきました。
 「おにたちの ようすを、しらべてきます。」
きじは そういって、また そらへ まいあがりました。きじが そらから ながめると、りっぱな ごてんが あって、その まわりを、たかい へいが とりかこんでいます。いりぐちは、がんじょうな もんで かためられ、みるからに つよそうな あかおにと あおおにが、ばんを しています。きじの はなしを きいた ももたろうは、
 「へいに、なわばしごを かけておくれ。」
と さるに いいつけました。
 「おやすい ごようです。」
さるは、ぽんと むねを たたきました。

さて よるに なると、いぬは、さるが かけた なわばしごを のぼって、おしろへ しのびこみました。
 のめや うたえや、どんどこどん
 のめや おどれや、どんどこどん
おおひろまでは、おにたちが さかもりの まっさいちゅうです。
 「ぐおーっ ぐおーっ
すっかり よっぱらった おにたちは、ものすごい いびきを かいて、ねむりこんでいます。その すきに、いぬは おしろの なかを かけまわって、やりや かたなを あつめると、ぐるぐる なわで ゆわいてしまいました。これでは、いざと いうときに たたかえません。
 「さあ、おにたいじだ
ももたろうが さけびました。
 「おにたいじだおにたいじだ
いぬも、さるも、きじも、くちを そろえて さけびました。
 「それ、すすめ
ももたろうの かけごえと ともに、みんなは いさましく せめこみました。おどろいたのは おにたちです。
 「なんだ、なんだ。」
 「どうした、どうした。」
ねぼけまなこを こすりながら、
 あちらへ うろうろ、
 こちらへ ひょろひょろ。

「えい、やっ
ももたろうは、ちからまかせに おにたちを なげとばします。
 いぬは かみつく、
 さるは ひっかく、
 きじは つっつく。
 「いたい、いたい
 「たすけてくれーっ
さすがの おにたちも、ひめいを あげて にげまわるばかりです。そのとき、 
 ぶるん、ぶるんっ
ふとい てつぼうを ふりまわしながら、おにの たいしょうが あらわれました。これを みた ももたろうは、おおごえで さけびました。
 「やあやあ、おにの たいしょうももたろうが、おにたいじに きたぞ
 「なにを なまいきな、ももたろうめ
ふたりの いっきうちが はじまりました。
そして ついに、ももたろうが、おにの たいしょうを くみふせたのです。
 「さあ どうだ、まいったか
 「どうぞ、かんべんしてください。」
 「こうさんの しるしに、たからものは ぜんぶ さしあげます。」
おにの たいしょうは、けらいどもに いいつけて、たからものを ふねに はこばせました。みるみるうちに ふねは、きん、ぎん、さんごの たからもので いっぱいに なりました。
 「それひけ やれひけ、えんやらや、
 それおせ やれおせ、えんやらや。」
ももたろうの かけごえに あわせて、
 いぬが くるまを ひっぱります。
 さるは あとおし、
 きじは つなひき。
 「おじいさん、ただいまおばあさん、ただいま
ももたろうの げんきな こえに、
 「よかった、よかった。」
 「にっぽん一の ももたろうじゃ。」
おじいさんと おばあさんは、なみだをながして よろこびました。

おしまい~~

 

 

 

SAKE NO TAKI

やまの おくに ちいさな こやが あって、そこに、きこりのおやこが、ひっそりと すんでいました。
ふたりは、やまで たきぎを あつめたり、きを きったりして、くらしていました。
 あるひ、おとうさんが びょうきに なりました。
こどもの たすけは そのひから、ひとりで、やまへ でかけました。
 「とうさんの びょうきが、
 はやく なおりますように……。」
しごとの かえりみち、たすけは、てんに いのりました。
ふもとの むらは、とおくに ありました。
いつものように たすけは、たきぎを おこめや おさけに、とりかえました。あるひ こやへ もどると、おとうさんが そとに でています。
 「よかったね。」
たすけが いいました。
 「まだ、からだが ふらふらする。」
おとうさんが いいました。
 「はい、おさけ。」
 「すまんな。」
おとうさんは、にっこりと わらいました。
それから まいにち、おとうさんは すこしずつ、おさけを のみました。たすけは せっせと、やまへ ゆき、むらへ ゆき、おこめや おさけを、もってきました。
 やがて、ふゆに なり、ゆきが ふり、やまの てっぺんは、まっしろに なりました。たすけの こやの やねも、ゆきで、まっしろに なりました。たすけは まいにち、やまへ ゆき、ときどき むらへ ゆき、おさけを もって、かえりました。ゆきは、おともなく ふりつもり、たすけは もう、やまへは ゆけなく なりました。それでも おさけを もとめて、むらへ でかけて ゆきました。
 きびしい さむさで、おとうさんは また、ねこんでしまいました。そんな あるひ、たきぎが なくなってしまいました。そして つぎのひ、おさけも なくなってしまいました。
 「むらまで、いってきます。」
からの ひょうたんを ぶらさげて、たすけは あるきだしました。けれども せなかには、一ぽんの たきぎさえ、ないのです。
 「おさけを わけてくれませんかはるに なったら、
 かならず たきぎを もってきますから。」
たすけは、なんども たのみました。けれども さかやさんは、どうしても うん、と いってはくれません。
〈とうさん、がっかりするだろうな……。〉
たすけは おもい あしどりで、とぼとぼ かえりはじめました。
 ぴゅう、ぴゅう、
つめたい かぜに あおられて、だんだんと、こころも おもく なりました。
 ぷーんっ。
 「あれ おさけの においが、する
 ぷーんっ。
 ぷーんっ。
 ぷーんっ。
においに つられて、たすけは いつのまにか、あるきだしていました。
 ぷーんっ、ぷーんっ。
どんどん つよくなる、においに つられて、かわを こえ、たにを こえ、たすけは あるきつづけました。
 「ここは いったい、どこだろう……。」
まっしろな もりの なかで、たすけは、たちどまりました。
 ぷーんっ、ぷーん。
 ざーっ、ざーっ。
おさけの においに、みずおとが まじってきました。たすけの あしは、いっそう はやく なりました。
「すごいなあ
たすけは、たきを みあげました。
 ざーっ、ざーっ
 ざーっ、ざーっ
しぶきが かおに かかります。
 ぷーんっ、ぷーんっ
たすけは ぺろりと、くちびるを なめました。
 「これは、おさけだ
こんどは、たきの みずを すくって、のんでみました。
 「やっぱり、おさけだ
たきは、おさけの たきでした。
 「とうさん、きっと よろこぶぞ
たすけは、つもった ゆきの なかを、ころげるように、かえってゆきました。
 「うーん、これは うまい。こんな さけ、
はじめて のむよ。」
 「ふしぎな たきを みつけたんだ
 おさけの たき、なんだよ
 「ほう、それは めずらしい。」
とうとう ふゆの あいだじゅう、おとうさんは、たきの おさけを のみつづけ、そして、げんきに なりました。
 やがて、はるに なりました。ふたりは また、やまへ しごとに でかけました。
 あるひ、たすけが いいました。
 「とうさん。
 一ど、おさけの たきへ いってみない
 「そうだな。そう、するか。」
おさけの たきへ つきました。でも どうした わけか、
ただの みず、なのです。
 「へんだなあ……。」
たすけは、くびを かしげて つぶやきました。
 「きっと ふゆの あいだだけ……。」
たすけの かたを、ぽんと たたいて、おとうさんが いいました。
 「この たきが、たきぎの みがわりに、
 なってくれたのだよ。」
 「そうかなあ……
 「そうかなあ……
たすけは、くびを かしげては、なんども、おなじ ことばを くりかえしました。

 

HOSHI NO KO

ある、さむい ふゆの よるのことでした。ゆきと こおりで、まっしろになった もりの なかを、ひとりの きこりが あるいていました。じめんは かちかちに こおりつき、つめたい かぜが、ひゅうひゅう おとを たてて ふきつけます。そらには、かぞえきれないほどの ほしが かがやき、まるで うつくしい ほうせきを ちりばめたように みえました。
 「なんて さむいんだ
きこりは たちどまって、うらめしそうに そらを みあげました。そのとき、すうーっと ひかりのおを ひきながら、ほしが 一つ、もりの はずれに おちたのです。
 「ほしが おちたぞ
きこりは、むちゅうで はしりました。
 〈きんかかな それとも ほうせきかな
いや、そんなことは どうでもいい
 とにかく、うんが むいてきたのは まちがいない。〉
やがて きこりは、まっしろな ゆきのうえで、きらきらと かがやく ほしを みつけました。
 「あったぞ
きこりは うれしそうに さけんで、ちかよりました。ところが、
きこりは、がっくりと うなだれてしまったのです。きこりが みたのは ほしではなく、おとこの あかちゃんだったのです。
ほしの かざりの ついた うわぎに くるまって、すやすや ねむっていました。
 「ああ、なんてことだ……。」
きこりは、あたまを かかえこみました。むりも ありません。
きこりは びんぼうで、じぶんの こどもたちを そだてるのさえ、らくでは なかったのですから。きこりは、じっと あかんぼうを みつめていましたが、やがて あきらめたように つぶやきました。
 「しかたがない……わしの たべものを へらしてでも、
このこを そだてよう。
このままでは、しんでしまうだろうからな。
 このこは、ほしが さずけた ほしのこなんだ。」
それから、なんねんかが すぎました。ほしのこは、うつくしいこどもに なりました。けれども、その うつくしさを じまんして、むらの がきだいしょうになり、わるいことばかりするのです。とりや、むしや、けものを いじめることなど、へいきなのです。きこりは、なんども ほしのこを しかりましたが、すこしも いうことを ききません。あるひのことです。むらに、おんなこじきが やってきました。これを みた ほしのこは、
 「やあ、うすぎたない こじきが きたぞ
  みんな、いしを ぶつけろ
  むらから、おいだせ
と どなりながら、いしを なげつけました。このとき、ちょうどそばを とおりかかった きこりが、どなりました。
 「こら おまえは、なんて ひどいことをするんだ
 「そんなに おこらないでよ
  ほんとうの おとうさんでも ないのに。」
ほしのこが へいきな かおで こたえるのをきいて、きこりは、きびしい こえで いいました。
 「たしかに、そのとおりだ。
  わしは 十ねんまえ、
  もりの なかで おまえを ひろって、
  いままで そだててきた。
  だがな、こんな らんぼうな ことは、ゆるせない
そのとき とつぜん、おんなこじきが さけびました。
 「十ねんまえ、ですって
  もりの なか、ですって
 「そのとき このこは、
  ほしかざりの ついた うわぎに 
  くるまっては いませんでしたか
 「そのとおりですよ。」
 「ああっ このこは、わたしの こです
  このこを さがして、わたしは 十ねんかん、
  せかいじゅうを あるきつづけたのです。」
おんなこじきは そういうと、うれしさのあまり なきだしました。ところが、これを きいた ほしのこは、おおごえで いいました。
 「おまえが、おかあさんだって
  ばかな ことを いわないでよ
  たとえ、おまえが ほんとうの 
  おかあさんだったとしても、そんな きたならしい 
  こじきなんか、いらないよ
  ひきがえるの ほうが、まだ ましさ。
  さあ、すぐに どこかへ いってよ
ほしのこは、もりの なかへ かけこみました。
 〈この うつくしい ぼくが、こじきの むすこだなんて、
  そんなことが あるものか
そう つぶやきながら、ほしのこは、いけの すいめんに、かおを うつしました。ところが、なんという ことでしょう
すいめんに うつった かおは、まるで、ひきがえるのように、みにくかったのです。ほしのこは、かなしさのあまり なきつづけ、そして はじめて きがついたのです。
 〈ぼくは、わるいこだった……
  おかあさんに いしを なげたり、ののしったり……
  その つみの むくいが、やってきたんだ。
  そうだ おかあさんを さがそう。
  そして、ぼくを ゆるしてもらおう。〉
ほしのこは、あるきだしました。やがて、りすの きょうだいを みつけて たずねました。
 「おかあさんを さがしているんだよ。
  どこに いるのか、おしえておくれ。」
すると りすは、つめたく こたえました。
 「ぼくたちの おかあさんを ころしたのは、
  あなたでしたね
  こんどは、じぶんの おかあさんを さがして、
  ころすつもりなの
それから、三ねんが すぎました。ほしのこが、ある まちの もんを くぐろうとすると、もんばんが どなりました。
 「なぜ、この まちへ はいるんだ
ほしのこは こたえました。
 「おかあさんを、さがしに ゆくのです。」
 「おかあさんだとなるほどな……だが、おまえのように
  きたない こじきが あいにいっても、
  おかあさんは よろこぶまいよ。
  さあ とっとと、よその まちへ いってしまえ
もんばんは、もっていた やりのえで、ほしのこを こづきました。そのとき、そばを、うすきみわるい かおをした おじいさんが、とおりかかりました。
 「まあまあ、かわいそうに。」
おじいさんは そういいながら、もんばんに ちかづくと、わずかな おかねを わたしながら いいました。
 「この こじきは、わしが ひきとりましょう。」
 「よしよし、じいさんの すきなように するがいい。」
もんばんは、にやりと わらいました。おじいさんは、ほしのこを うちへ つれてゆき、うすぐらい ちかしつに とじこめました。ほしのこは、こわくて ぶるぶる ふるえていました。
やがて おじいさんは、一きれの パンと みずを もってくると、おそろしい こえで いいました。
 「さあ ぼうや、これを たべて ねむるんだ。
  そして、あしたの あさはやく、もりにでかけて、
  しろい きんかを さがしてくるんだ。
  もし みつからなければ、むちで 百かいぶつからな

つぎのひ、ほしのこは もりに でかけ、むちゅうで、しろい きんかを さがしました。けれども、みつかりません。
ほしのこは、しくしく なきながら、もりを でようとしました。
そのとき、ちかくの くさむらから、かなしそうな なきごえがきこえてきました。みると、一ぴきの のうさぎが、わなに かかっているのです。
 「かわいそうに、いま たすけてやるよ。」
ほしのこは、いそいで、わなを はずしてやりました。
のうさぎは よろこんで、なんども あたまを さげながら いいました。
 「おかげで たすかりました。
  どうやって、おれいをしたら よいでしょう。」
 「ぼくは……。」
ほしのこが いいました。
 「しろい きんかを さがしているんだ。
  でも、みつからないんだよ。」
 「それなら、わたしが さがして あげますよ。」
のうさぎは そういって、ほしのこを、おおきな かしのきの そばへ つれてゆきました。みると、その かしのきの さけめに、しろい きんかが はさまっています。
 「ああ、あった
  ありがとう。きみの おかげで、ぼくは、
  ぶたれずに すむよ。」
ほしのこは、よろこんで いいました。
 「いいえ、はじめに たすけてくれたのは、
  あなたなのです。」
のうさぎは そういうと、どこかへ いってしまいました。ほしのこが、まちの もんを くぐろうとしたときです。もんの わきに うずくまっていた こじきが、あわれな こえで よびかけました。
 「どうぞ、おめぐみを……おなかが すいて、
  しにそうです。」
ほしのこは たちどまって、こじきを みつめ、それから、しろい きんかを みました。
 〈これを やってしまったら、ぼくは、
  むちで ぶたれなければ ならない……...

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